d.schoolのデザインシンキングを90分で学ぶ

スタンフォード大学のd.schoolとはデザインを学ぶ学科です。
ここで言うデザインは、革新的な問題解決のことを指しているようで、
そのデザインをブレストとプロトタイプを通じて学んで行くところのようです。

それで、今回d.schoolが集中的に90分で一通りのデザインシンキングを学ぶことができるオープンな学習サービスを提供し始めたようです。

http://dschool.stanford.edu/dgift/

学習といっても、オンラインビデオで授業を聞きながら、手を動かすというスタイルで、学習中のインタラクションは特にないです。

そこらへんは、プログラミング系学習サイトのudacityやcourseraのほうが進んでいる気がします。

とはいえ、IDEOのように、世界中で注目されているd.schoolの授業を視聴できることは、興味ある人にとってかなり価値の高いことだと思います。

私も、近いうちに、目を通して、フィードバックしたいと思います。

ダウンサイジング読書で効率よく本を読む

ちまたでは、本を読む量を向上させるために速読の技を身につける傾向にあるが、
これは一体何のためにやっているのか不思議になります。

速く読めることにこしたことはありませんが、
本質は速く読むことではなく、得たい情報を効率よく得られるかが重要だと
思います。

私は、本から効率よく情報・知識・考え方を得るには、
読む量を減らすことが結構役立つような気がします。

というのも、大量の情報が容易に得られるインターネット時代において、
情報過多で本当に必要な情報がなにか不透明になることが心配されておりますが、
読書も同じだと思います。

一つの本には、(自分にとって)不要な情報が多く記載されていたり、場合よっては、読むことが不要な本だって世の中に多く存在します。

だからダウンサイジング読書という考え方は結構有用ではないかと思っています。

それでは、それについて考えてみたいと思います。


(適用)
本を読むことには、いくつか目的があると思います。
自己啓発すること、専門性を高めること、ストーリーを楽しむためなど。
今回、読む量を減らすことを適用できるのは、小説や実務(プログラミングなどのエンジニアリング系)より考え方を吸収する目的で読む本に適していると思います。


(読書前の準備)
読書前の準備、これはとても重要です。
ただし、やることは単純明快。

本を読む理由を明確にすることです。
具体的な作業内容として、得たい知識や考え方は何で、それをどのように生かすべきかある程度検証しておくことです。

これによって、自分が読まなければいけない項目など取捨選択の基準になり、今回のダウンサイジング読書で一番重要な作業になると思います。

また、この準備は、得た知識・考え方を吸収し自分のものにしていくには、本当に必要な努力だと思います。自分の頭でいろいろとシミュレーションし、さらには読んだ後、きちんとフィードバックして整理しなければ、本を読んでも頭になにも残らないと思います。
読書は、知識を身につける作業の一部でしかありません。
しつこいようですが、読書以外の努力もきちんと実施して初めて知識が身に付くと思います。


(全体感で本を捨てるか判断する)
「本を読む本」にも記載されていますが、
目次から本の主張手順を理解し、「はじめに」などの導入部分をきちんと読むことで、本書の目的と流れを理解すべきでしょう。
ここで、自分が得たいことと相違があれば、読書終了です。
これで、1冊本を読む時間が短縮されます。


(この文章は何を主張するための文章か常に意識する)
本の中には、本質からずれた内容に紙面を使う場合が往々にしてあります。
そのような文章は基本的に、勇気をもって、どんどん切り捨て、読まないようにしたほうが良いでしょう。
それには、今読んでいる内容が本書の中でどのような位置づけで、どんな情報を発信するためのものなのか常に意識することが重要だと思います。

ここで切り捨てるべき内容は、
・すでに主張されていることを繰り返し述べている文章。
・本質からずれている内容
・すでに理解している考え方の具体的な例
などです。
これは、あくまでも私が思いついた内容で、読者の理解度によって切り捨てるべき内容は違うと思いますので、自身で判断し自分の切り捨て判断基準を構築してみてください。


(おわりに)
上記3ステップだけでも、かなり読書量が減ると思います。
読書量は減りますが、頭は結構使うと思います。
しかし、その分、述べられている内容を理解したり、生かしたりできる能力が身に付くと思いますので、私自身、かなり有用な手法だと思います。

魅力的な2012年1月〜新たなスタンフォード大学無料オンライン授業 

以前ブログでも取り上げた、スタンフォード大学の無料オンライン授業なのですが、
Machine Leaningの授業ホームページ内で2012年の新たなオンライン授業ラインナップが紹介されました。

かなり魅力的な授業が多く、有用だと思いましたので、ブログでとりあげます。

以下リンク先がMachine Learning授業スタッフがyoutubeで2012年に扱うオンライン授業紹介をしています。注目です。
http://www.youtube.com/user/mlClassStaff


スタートする授業科目


今回は、取り扱う授業数と授業科目が非常に多く、
授業数は、今のところ16個。授業科目は下記のとおり。


(1)Entrepreneurship

  Lean Launchpad
  Technology Entrepreneurship

(2)Medicine

  Anatomy

(3)Civil Engineering

  Making Green Buildings

(4)Electrical Engr.

  Information Theory

(5)Complex Systems

  Model Thinking

(6)Computer Science

  CS 101
  Machine Learning
  Software as a Service
  Human-Computer Interaction
  Natural Language Processing
  Game Theory
  Probabilistic Graphical Models
  Cryptography
  Design and Analysis of Algorithms I
  Computer Security


例えば、Lean Launchpadの授業は下記リンクとなります。
http://www.launchpad-class.org/


これらの授業を好きなだけ選んで良いなんて、とても贅沢な感じです。
授業はもちろん、すべて英語ですが、youtube上にキャプション機能があるので、
英語字幕はでてきます。
前回のブログでもとりあげましたが、字幕があればそんなに理解が難しいわけではありません。


蛇足


2011年10月から2ヶ月間Machine LearningとAIの授業を受講していましたが、英語のヒアリング能力は一気に向上しました。
始める前は、長い英語会話文を聞いても2〜3割程度しか理解できなかったヒアリング能力が、現在TOEICのパートⅢⅣを聞いても8~9割がた内容を理解できるようになりました。

今まで、英語能力にお金をかけてきたのは、あまり効果がなかったけど、
今回英語で授業を受講するという無料のシステムで一気に英語力アップしました。


[追記] 2012.2.11
下記の授業は、一度キャンセルになったそうです。
理由は、講師が新しい教科書を出すことが決まり、その新しい情報で授業を行うため、2ヶ月間時間が必要なためだそうです。
すばらしいホスピタリティですね。ますます新しい授業が楽しみです。

(1)Entrepreneurship

 Lean Launchpad
 Technology Entrepreneurship

Stanford大学の無料オンライン授業受講 と 英語の勉強

スタンフォード大学が「機械学習」「データベース」「人工知能」の無料オンライン授業を今秋10月から開始していて、せっかくの機会なので、受講してみた。
http://news.livedoor.com/article/detail/5792962/


私が受講している教科は、「機械学習」と「人工知能」。
受講している感想と授業の内容を簡単に紹介します。


授業の内容

2つの授業内容とも進行は非常にシンプルです。基本は下記の項目を順繰り週1でUPDATEされる感じです。

  • ビデオで講師から授業を受る(理解を深めるためにビデオの途中でQuizあり)
  • 提示されている宿題を解いて、提出する

恐らく、「授業がすべて英語だから、理解できないかも」と心配される方もいらっしゃると思いますが、そんな心配無用です。

というのも、ビデオには、講師の話している言葉を字幕に出させますし、数学記号は世界共通ですので、TOEIC500点以上あれば、十分に理解できるないようかと思います。

機械学習」の授業は、プログラミングの宿題も出されます。
使用する言語は、数値解析に適しているOctaveです。

難易度は、高くありませんが、プログラム未経験者が自力で解くには、厳しいかもしれません。

2つの教科とも基礎からしっかり丁寧に学べます。


授業の感想

実のところ、アメリカの大学は、授業が非常にレベルが高く、学生は遊んでいる暇がないと言われているのを聞いたことがあったので、授業についていけるか心配でした。

しかし授業受講してみると、講師は学生の理解度についてかなり気を配っているため、日本の大学で受ける授業より分かりやすく、そして教科のスキルを身につける事ができます。本当授業の質は高いです。

Octaveをつかったプログラミング演習では、プログラムを実装する事で、
かなり深く理解することができるので、機械学習の授業は、特にお勧めできます。


授業を受けた副産物、英語スキル向上

授業を受けるために、週に6時間くらい英語の授業を字幕付きで見る事になりますので、英語スキルも向上されると思います。

ながらリスニングとは違い、目的をしっかり持って授業内容を理解しようとしているため、集中してリスニングできます。週に6時間集中できる英語教材というのは、私が今までに経験したことがなかったと思います。

また、字幕付きなので、なんとなく聞き取った言葉と字幕に表示される単語をマッチアップさせることが、その場で可能です。

英語教材として、この授業を受けると痛い目にあうと思いますが、
授業を受講した副産物として、英語スキルは向上しそうです。


生命保険を選択してみる

去年、結婚し、1年が過ぎて、そろそろ生命保険に入れよと嫁に畳み掛けられているところなので、検討してみた。

※生命保険のみの話です。


1 生命保険に入る意義を考える


当たり前ですが、ここ重要です。

嫁との会話

嫁「生命保険そろそろ入ってよ〜」
me「(え、これは保険金詐・・・)何のために入るの?」
嫁「生命保険は家族が出来たら、みんな入るものじゃないの?」
me「(???)そんなわけないだろ!義務じゃないんだから」

という摩訶不思議な会話ですが、色々と掘り下げて行っても何も出てこないので
嫁を安心させるため、生命保険に入る意義を確認することにしました。

その意義とは、「一家の大黒柱(つまり私)が死んだ際、家族が路頭に迷わないで暮らせるお金を残す」こととなります。

つまり、私が死亡するリスクに対しての保険になるわけです。
当たり前ですが、目的を見失わないように記しておきました。

リスクに関する内容を、今勉強している最中ですので、今後少しずつ取り上げていけたらと思います。



2 生命保険の選考基準


では、どのように保険を選定すれば良いのか?
これは目的を理解していたら非常にシンプルに出てきますね。

つまり、「大黒柱が死亡したとき、必要な金額はいくらか?」でしょう。


家族構成やライフステージで変わってきますが、
必要な金額を考えるには、何にどれくらい掛かるか?を洗い出さなければいけません。


話を簡単にするために、
私が死んでも、嫁が生活費に困らないくらい稼げる想定をすると、
考えなければ行けないのは、ほとんどの場合子供の教育に必要な金額を確保することになりそうです。


□子供1人にかかる養育費を幾ら必要なのか?


参考になりそうな内容がライフネットに記載されていました。
下記リンク内、中段の「教育費はいくら必要なの?」に書いてあります。
( http://www.lifenet-seimei.co.jp/lifestage/family/index.html )


これを考えると30代では、子供一人当たり2000万円が必要になりそうですね。
(私は、修士課程まで卒業しているので、親には相当金額的負担をかけたことを知り、これからもっと親孝行しないとと思いました。)


□自分が死んだときにどこからいくらもらえるかを把握する


自分が死んだとき、どこから幾ら貰えるかちゃんと整理しておくことが非常に重要です。
余分な生命保険金を掛けてしまうと無駄な出費がウン十年続く可能性がありますから、ここの労力は惜しまない方が良いでしょう。

(※最悪ケースとして、毎月不要な生命保険代5000円を30年間払い続けると、5000円×12ヶ月×30年 = 180万円)


大きな受取金として考えられるのは、以下の二つでしょう。
 (1) 勤め先の福利厚生と退職金
 (2) 住宅ローンの団体信用生命保険


(1) 勤め先の福利厚生と退職金


これはきちんと押さえるべきです。
というのもの、会社によっていは福利厚生が充実していて、死亡に対する保証も含まれているケースがあるからです。
弔慰金と死亡退職金の合計支給額の平均は、勤続15年で627万円(17年調査674万円)、勤続25年で970万円(同1147万円)となっているそうです。※1
1部上場企業の場合、平均を大幅に上回っている場合があるので、きちんと会社の就業規則などを確認したほうが良さそうです。

※1 サーチナ-searchina.net


(2) 住宅ローンの団体信用生命保険


こちらに関しては、厳密に言うと、家族に対して直接お金が入ってくる訳ではなく、住宅ローンを返済されるだけです。

※2のリンク先(ライフネット)によると下記のように団体信用生命保険を説明されています。

団体信用生命保険は、住宅ローン利用者(被保険者)が死亡・または高度障害状態となった場合に残りの住宅ローンを返済するための保険です。
多くの場合、民間の金融機関では団体信用生命保険の加入が貸付の条件となっており、保険料はローンの返済額に含まれています。

※2 http://www.lifenet-seimei.co.jp/glossary/detail/380.html


最低限これらを加味し、生命保険の金額を決めるべきでしょう。


□ 「定期」か「終身」


ライフステージで必要な生命保険金額が変わるのであれば、定期のほうが、融通がきき良いという判断になりそうです。
終身にするメリットは保障金額に対して月額料金が安くなりますが、
生命保険は、子供が就職してしまえばほぼ不要になりますし、住宅ローンに入った段階で金額を見直ししたりする場合は、
定期のほうが良いのかもしれません。
メリット、デメリットは加入会社にもよるので、きちんと確認した方が良さそうですね。


□ 「掛け捨て型」か「積み立て型」


個人的な趣味の違いがあると思いますが、目的はリスクに対して準備できる金額が重要です。
これを見失わなければ、問題ないと思いますが、一般的に積み立て型は、家族の資産分散として投資していることになっています。
わたしは、支払いの保険金と投資による利益の違いが不透明であるということ、そのお金は一定の期間まったく使用できないということが
ネックになって、「掛け捨て型」のほうが良いのかなと思いました。


3 生命保険会社を決める


下記リンク先が本当に生命保険会社を決めるのに、役立つ内容でした。
さくっと世界一周計画: 結局ライフネット生命が安くない件について


結局、この記事をもとに調べた結果、(かなり話が飛躍しますが 笑)医療保険まで含めると共済が信頼性が高く、コスパが良いということがわかりました。
ただし、保障金額が全般的に安い商品しかないことがネックですので、お子さんがいらっしゃる方にとっては、物足りないかもしれません。



本質を捉えるモデル思考

先月イタリア旅行へ行った際、飛行時間が12時間くらいあったため、たくさん本を読んだ。
そのうちの一つ、野口悠紀雄著「「超」勉強法」という本は、僕にとって結構学ぶところがあった。
ここでは、本で書かれた内容の中で面白かった「モデル思考法」の重要性とその考え方に注目してみました。


ソリューションを出せる人間が求められている


「超」勉強法の中で、日本の高度成長と現在の停滞についてさっくり下記のように指摘している。

"かつて日本は「単純模倣法」という手法で、高度成長を実現した。単純模倣法とは、過去に外国で成功した手法を日本で再利用するという方法。
これは、「外国で成功したことは、日本でも成功する」という論理で、非常にコストパフォーマンスが高い。
模倣する相手が存在する場合、追いつけ追い越せで、一気に成長することができる。
しかし、一度先進国に追いついた日本にとって、模倣する相手がいなくなってしまった。単純模倣法を流用しすぎた日本は、もはや自分たちで問題解決する力もなく、
なるべくして経済停滞している”

この問題定義は非常に興味深い。つまり、汗水かいて考え出してきた人たちは、真似されても、考え出す力があるので、次のステージに進めることができる。
韓国・台湾・中国が日本に対して、追いつけ追い越せで、結局今ほとんど同水準まで来ている。
彼らの方が同じ性能のものを安く作る事ができるため、日本のものつくりバリューが減少している。

今、自分個人でソリューションを考え出す力が必要なんだと改めて感じさせられる。


学者はモデルでソリューションを考える


モデルの定義を野口氏は下記のようにしている。

モデルとは、"現実を抽象化し、重要な相互間の関係を明らかにする"こと。

これは、問題の本質を特定し、正しい解を導く仮説を検証し証明することに使用されますので、
大学で研究されている学生や研究者にとって、必須な思考方法というか、実質、モデル(理論)を探究する事が
彼らの仕事になっています。

研究者にとってのモデルというとかなり大きなことのようですが、
私たちの仕事においても、このモデル思考は非常に役立ちます。

あるタスク(=問題解決をすること)があった際に、その問題の本質を見極める事で、アウトプットの質が大きく変わってきます。
なぜなら、本当に必要で求められている事が何かを理解しなければ、意味のない成果を出す可能性があるからです。

仕事には、基本お金が発生しますので、不要な仕事を極力そぎ落とし、本質の部分に注力し、成果を効率よく出さなければいけません。
この本質を理解するには、事象のモデル化をすることが重要です。


モデル思考は機械論に通じる


お気づきだと思いますが、皆さんご存知のロジカルシンキングの中枢を担う思考法にスポットを当てただけです。
しかし、この方法はルネサンス期の哲学者や科学者が取り入れて、一気に科学を発展させた機械論に似ています。

機械論というと、デカルトデカルトというと二元論を連想して、あまり良い印象がない方も多いかと思いますが、
機械論自体の物の考え方は、非常に参考になります。

機械論とは、
「生命などの諸々の自然現象を、心や精神や意志、霊魂などの概念を用いずに、その部分或いは要素の決定論的な因果関係のみ、特に古典力学的な因果連鎖のみで、解釈でき全体の振る舞いも予測できる、とする立場」
(wikipedia参照)

つまり、得たい結果に対し、不必要なものをすべて排除して、本質の部分の関係だけを観察する。そしてその振る舞いを解釈することになります。
ある現象に対して、本当に必要なことだけに焦点を絞り、現象を単純化、抽象化することで一気に本質に触れることができます。


モデル思考を学ぶ


モデル思考を学ぶ方法として、本書では、いずれかの科学を勉強することを推奨しています。科学は、モデルの探究のため、それを身につけると必然的にモデル思考が身に付くという論理です。

本書では、経済学者の方が書いた本ですので、その方法を経済学の学習方法に求めていますが、一般的なエンジニアの私は、このことを科学の歴史と特許から一番学びました。

特に以下の方法が非常におすすめです。


□特許 : 「発明から特許へ〜権利取得のために」

http://www.johokiko.co.jp/column/column_takahisa_kusuura.php#col7

この文章は非常に有益です。特許に限らず、アイデアとは何かを理解できます。


□科学歴史 : 山本 義隆 (著)「熱学思想の史的展開」

この本は、熱力学の誕生までに様々な科学者がどのような考えを基に、この分野を成立させたかが記載してあり、
機械論を使った研究例を始め、科学者がどのように本質を見つめようとしているか手に取るようにわかり、そして本当に面白いです。

パターン認識の基礎がよくわかる入門書 「音声認識システム」 荒木雅弘

学生時代、ロボティクス研究をしていて、制御システムが持っているパラメータの機械学習をさせるシステム構築した経験があるので、パターン認識機械学習の経験があるのですが、

実際に仕事に役立てるとなると少し実力不足ということで、基礎から力をつけるという目的で、荒木雅弘著「音声認識システム」を購入しました。

この本は、入門書になりますが、パターン認識の全体感からシステム構築まで一気に経験できる良書となっていましたので、ご紹介します。


パターン認識機械学習って何?


人間が知覚できる画像・音声などの情報をパターンと定義。
パターン認識は、あるパターンをあらかじめ定められた複数の概念(クラス)のうちひとつに対応させる処理の事を言います。

例えば、ある音楽を聞いて、「これはロックだ」とわかるのであれば、それは、聞いた音データを複数のジャンル(クラス)からひとつに対応させたことになります。

これを自動で行ってくれるシステムを構築することで、データ入力されたものがどのようなものかを回答してくれるようになります。それを本書では、音声認識システムを構築することで、パターン認識の基礎を学ぶ内容になっています。

それでは、機械学習というのは、パターン認識とどのような関係を持っているのでしょうか?
高精度にパターン認識させるため、このシステムをたくさん教育させます。
人間と一緒ですね。この教育させるとき、システムが学べる方法を機械学習という技術を取り入れています。

その仕組みは、とっても簡単です。
ある問題を与えて、それをシステムに解いてもらいます。
答え合わせをして、システムの回答が間違えていれば、間違えていたことを教えるという内容です。


パターン認識を何に使うか


一般的にパターン認識システムを利用する主目的は、人間が行っている単純作業のう、ある基準で仕分けする作業を自動化させるために利用します。

特に、コンピュータは大量のデータ処理を行う事ができますので、例えば、郵便物の仕分けなどに効果を発揮します。

恐らくamazonのリコメンド機能もこのようなパターン認識技術が使用されているのかと思います。

「簡単な人間の思考部分を担う」サービスにより、大幅に能率があがる分野もあるかとおもいますので、色々と考えただけでわくわくしますね。


本書の良いところ


さて長い前置きになりましたが、本書の良いところをいくつか挙げてみます。

  • パターン認識の構造が明確にし進めているため、なにを学べば良いか理解しやすい

 ちょこっとかじっただけだと、正確にパターン認識の仕組みを理解していない可能性がありますが、この本では、頭の中がかなり明確になりますので、どのような応用が可能か、もしくはこの分野では利用できないなど、先を見通す力がつきます。

 理論を学べば、分かった気にはなりますが、深く理解できないのは、多くの方が感じている事だと思います。実際に、仕事でシステムを構築する際に、どのような技術が必要で、どのように組み立てるべきか、を理解していないと何も進める事ができないでしょう。


長く書きましたが、本書を入門書にするのは本当に最適だと思われます。

ここから本格的に学びたい方、違う機能を持ったパターン認識システムを構築する方は、ビショップの機械学習など、自分の目的にあった書籍を探す必要があります。

二つほど、書籍を下に示しましたが、これは、私が次に勉強しようとしている書籍です笑